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彫刻の道@竹の塚-個性ある7作品が並ぶ芸術の空間

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公開日: 2014/11/17 / 更新日:

足立区は竹の塚にある「彫刻の道」。昔から地元の風景に溶け込んでいるので全く意識していなかったのですが、1つ1つの作品を見てみるとなかなかどうして面白いものばかり。今回は地元の観光スポットを振り返る意味で「彫刻の道」を歩いてみました。

外観

「竹の塚彫刻の道」の外観
「竹の塚彫刻の道」の外観

2014年11月17日(月)、東京都の足立区にある「竹の塚彫刻の道(彫刻の道と略)」を訪問しました。

概要(営業時間など)

名称竹の塚彫刻の道たけのづかちょうこくのみち
住所121-0813東京都足立区竹の塚
電話番号03-3880-5853 (足立区観光交流課)
駐車場なし
開設年1993年
ウェブサイトあだち観光ネット

アクセス

東武伊勢崎線「竹ノ塚駅」の東口を出て、東方面に進むと、団地地帯が見えてきます。団地のすぐ西脇の、縦に約600mほど続いているのが「彫刻の道」です。

観光マップ

全体の地図
全体の地図

「彫刻の道」の全体地図です。この地図上の左側が北になっています。全長600mほどの短い道で、合計7点の彫刻作品が道の途中に建設されています。全て見るのに20分もあれば十分なので、普段、素通りしていた人は、散歩がてら鑑賞してみてはいかがでしょうか。

手づくり郷土賞

中村喜四郎より、手づくり郷土賞図
中村喜四郎より、手づくり郷土賞図

「ふるさとの風景にとけこむ道」という点で評価が高く、20年ほど前、当時の建設大臣、中村喜四郎より「手づくり郷土賞」を受賞しています。元々、この辺りは農業用水路が通っていて、その跡地を、区民が交流できる空間、感性豊かな心を育む芸術性の高い空間として整備してできたのが、この「彫刻の道」なんだそうです。

レポート

Chimney(煙突)

島剛の「Chimney(煙突)」
島剛の「Chimney(煙突)」

今回は北側から歩き始めました。最初にあるのは、島剛さんという方の作品、「Chimney(煙突)」。イボイボした木か何かかなーっと思っていたところ、これは煙突なんだそうです。そびえ立つ様子は物凄く伝わってきます。

「Chimney(煙突)」の解説
「Chimney(煙突)」の解説

作品の解説です。タイトルこそ「煙突」ですが、その実は、細長い筒をバーナーで燃やし、炎が燃え上がっているその内側を表現しているとのこと。

そびえ立つ煙突の彫刻
そびえ立つ煙突の彫刻

島剛さんのプロフィールは、五島記念文化財団のウェブサイト内にありました。

島 剛 - 五島記念文化財団
島 剛 - 五島記念文化財団
五島記念文化財団のホームページ。作者のプロフィールが掲載されています。

石の風

堀内健ニの「石の風」
堀内健ニの「石の風」

続いての作品は多段に積み重なった石がズレている、断層のような彫刻。

「石の風」の解説
「石の風」の解説

「太古から吹く、止まない風が今も石を撃ち、そして塵を払って新しい生命を呼び醒ますこと」を表現しているそう。この作品の作者、堀内健ニさんの公式ウェブサイトは下記です。

小泉俊己の「泉」
小泉俊己の「泉」

続いては、なんとも異様な彫刻。丸い器の先に、犬か狼、の頭部だけがくっついています。これは胴体だけ崩れてしまったのではなく、そういう作品なのだそう。作者の小泉俊己さんは多摩美術大学の教授です。

教授: 小泉俊己 - 多摩美術大学
教授: 小泉俊己 - 多摩美術大学
多摩美術大学の公式ウェブサイト。小泉俊己さんのプロフィールが掲載されています。
「泉」の解説
「泉」の解説

丸い器は泉を表現していたんですね。水は、自然の大きな流れの象徴的存在。そして生命は水と一緒に生きて、自然の流れに組み込まれている。そんな世界を表現したのが、この作品なのだそう。

  • 作品の頭部頭部のアップです。長い年月が経ち、錆も目立ってきていますね。この時間の流れも、この作品の主旨に副っていて、重みを与えているように思うのは私だけでしょうか。
  • 「泉」の全景こちらは作品の全景です。絶妙なバランスですね。

空を眺めながら

柏木昌の「空を眺めながら」
柏木昌の「空を眺めながら」

これまた奇怪な作品と言ってもいいかもしれません。空を見上げる女性の彫刻です。作品名は「空を眺めながら」。なんとも言えないパーツのバランスですね。作者の柏木昌さんのブログは下記にあります。

MASARU KASHIWAGI
MASARU KASHIWAGI
作者の柏木昌さんの公式ウェブサイト。作品一覧など。
  • 女性の顔女性の顔部分をアップしてみました。太陽を浴びて気持ち良さそうです。
  • 「空を眺めながら」の解説ゆったり、のびのび、ほのぼのといった要素を、彫刻で表現したらこうなったとのこと。芸術家の感性は豊かです。もちろん、これは良い意味で言っています。

地殻より

岡本敦生の「地殻より」
岡本敦生の「地殻より」

続いては、宇宙人のような風貌の彫刻。作品名は「地殻より」。作者の岡本敦生さんも、小泉俊己さんと同様に、多摩美術大学に所属しているようです。彼の個人ウェブサイトは下記です。

「地殻より」の解説
「地殻より」の解説

作者自身にも、何を表しているのか分からない。思いっきり、内から湧いてくるイメージそのままに生まれた作品なんですね。

Atsuo Okamoto
Atsuo Okamoto
岡本敦生さんの公式ウェブサイト。作品、プロフィールなど。
  • タコのように伸びる根っこタコの足みたいに地面に付いている根っこ。
  • 彫刻の上部上部は途切れてしまった胴体のようにも見えます。

創造の箱

斎藤史門の「創造の箱」
斎藤史門の「創造の箱」

斎藤史門さんの作品、「創造の箱」。斎藤史門さんは、この記事を書く半年ほど前、2014年6月に、60歳の若さでお亡くなりになられました。胃がんだったようです。7月には遺作展が開かれていたようです。

「創造の箱」の解説
「創造の箱」の解説

箱に箱を重ね合わせ、そこに内在された空間で想像力を働かす。そんな彫刻作品。

  • 彫刻の下部こちらは下部。外側の箱と、内側の空間で表現されている箱。
  • 彫刻の上部上部は、下部と裏表が引っ繰り返った内容ですね。

自我—その確立

桑名良知の「自我—その確立」
桑名良知の「自我—その確立」

続いては、…ごめんなさい。何が何だか全然分からない作品(笑)。作品名は「自我—その確立」。作者の桑名良知さんのウェブサイトなどは残念ながら見つかりませんでした。

  • 「自我—その確立」の解説作者の解説がとても深いです。この芸術作品は、これはこれで「個」。頭の中の、既存のものと結びつけない「個」として認識してほしいとのメッセージ。
  • 「自我—その確立」 別角度から私たちは特に芸術系のもので、何かよく分からないものを見たとき、知っているものと結びつけて無理矢理、解釈、納得する癖があるんじゃないでしょうか。「新しいものを受け入れる」というのは、想像以上に難しい行為ですよね。解説を見て改めてそんなことを思ってしまいました。

個人的な評価

4

今までは視界に入っていながら素通りしていた作品たち。その1つ1つを意識して鑑賞すると、どの作品もとても興味深いもので楽しめました。正直なことを言えば、彫刻や芸術に特別に興味がなく、ただ観光スポットを探している、という人にはあまりお勧めできません。この意味で、1点だけ減点しておきました。が、すぐ近くに住んでいて足を伸ばせたり、彫刻に興味のある人だったら、楽しめる約20〜30分ほどの散歩になるんじゃないでしょうか。